庭園日誌をご覧のみなさま、こんにちは。【しっぺい】です。

寒い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私たち人間は服を着こんだり暖房をつけたりして寒さに対抗しますが、
厳しい寒さが辛いことは植物にとっても同じです。

では、身の回りの植物は、どのようにして冬の寒さに備えているのでしょうか。

環境への適応

植物は動物のように自由に動けないために、
自分が根を下ろした場所の環境の変化に耐えて生きていくしかありません。

そのため、植物には周囲の変化を敏感に察知し、
適応していく力が備わっています。

そのように環境に合わせて変化させた植物自身の形態を、生活形と呼びます。

植物界では植物の成長が停止する期間のことを休眠といいます。

休眠は、日の長さや気温、湿度や土壌の含水量の変化などで引き起こされ、
厳しい冬や乾燥期には休眠することで自分の身を守ります。
厳しい冬や乾燥が激しい時期は、光合成が難しく成長に適さないので、
いったん休んで生長しやすい時期を待とう、ということですね。

中でも、いったん形成されたのちに生長を止めて
休眠している状態の芽を休眠芽といいます。
日本では、植物にとって休眠が必要な時期は冬が多いので、冬芽と呼ぶ場合もあります。

休眠芽には、エネルギーを消費せず、水分を奪われず、
寒さで凍らずに春を待つことが必要になります。

冬芽1

一般に、空気よりも地面の方が温度は一定していて、冬は地面の方が温かく感じられます。
外気に比べたら地中のほうが温かく、また地上高くよりは地表に近い方が温かいのです。

寒さを乗り切るために、休眠芽の位置は植物にとって大変重要であると考えられます。

植物学者であるラウンケルは、休眠芽の形成される高さの違いによって
植物の生活形を分類しました。

では、ラウンケルの生活形に基づいて、
植物がどのような形で冬を越すのか見てみましょう。

ラウンケルの生活形

一年生植物

一年生植物とは、春に芽を出し生長したあと
冬を越さずに枯れてしまう植物のことを指します。

一年生植物は休眠芽ではなく、種子を残すことで次の世代へつなぎます。
厳しい冬を乗り越えるために、秋に種子を残し、
しっかりとした殻の中で生長に適した春までじっと耐えるのです。

身近な例では、アサガオやカボチャ、トウモロコシ、ヒマワリなどがありますね。

ただし、芽を出し花を咲かせて実を残す、という一連の流れを
1年以内に繰り返さなければならないのは植物にとっても慌ただしく、やや大変です。
アサガオ
マメアサガオ

地中植物

そこで登場するのが、より長い周期で生育する地中植物です。

この植物は、冬には地上に出ている葉や花を枯らしてしまい
栄養を地下にある根茎や塊根にため込んで春を待ちます。

また、休眠芽が地中にあるものを土中植物、水中にあるものを水生植物といいます。
代表的な地中植物にユリ、水生植物にはガマがあります。

半地中植物

地表すれすれに休眠芽をつける植物です。

地表面に葉を広げているので強風に強くなります。
また、地表は落葉に覆われることが多く、落葉の隙間は水分や空気を保つため、
乾燥・低温から身を守ることができます。

オオバコやオミナエシ、セイヨウタンポポなどが含まれます。
セイヨウタンポポ
セイヨウタンポポ

地表植物

地上30cm未満と、地面の近くに休眠芽をつけて冬を越すタイプの植物です。

地表植物は雪に埋もれながら冬を越すこともあります。
気温が氷点下を大きく下回るような地域では、
外気よりも雪に覆われたほうが温かい場合があるのです。

ヤブコウジやクサイチゴなど、林床で見かける植物が多く含まれます。

地上植物

地上30cm以上の高さに休眠芽をつける植物です。
一般的な樹木がだいたいここに当てはまります。

芽は変形した鱗片で保護されているもの(鱗芽)と、
まったく保護されていないもの(裸芽)とに分けられます。

鱗芽は、種によっては20枚の鱗片で保護されている場合もあります。
鱗片は寒さや乾燥だけでなく、風や動物から若い葉や成長点を保護しています。

先に述べた植物たちに比べて寒さの影響を受けやすいため、
極端に気温が低いところだと生きていくことができません。
トチノキ オニグルミ
左:トチノキ(鱗芽)、右:オニグルミ:裸芽
※出典;http://sas2005.eco.coocan.jp/04_wbud/04_wbd.html
「杉並の自然学」(最終閲覧日:2016/11/30)

植物の冬越し

さて、植物たちの冬越しの仕方について、いかがだったでしょうか。
植物は生まれ育った環境に応じてさまざまに対応しているのですね。

皆さんも寒さとうまく付き合いながら、冬を楽しんでいきましょう!

<参考資料>
「杉並の自然学」(最終閲覧:2016/11/30)
URL:http://sas2005.eco.coocan.jp/04_wbud/04_wbd.html
「冬芽と葉痕を楽しむ」(最終閲覧:2016/11/30)
URL:http://shizuka.sakura.ne.jp/kobo/fuyume_topic/ft_index.htm



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