庭園日誌をご覧のみなさま、はじめまして。
今回から庭園日誌に加わりました、新スタッフの【川瀬】です。

どうぞよろしくお願いいたします!

植物ホルモン

さて、皆さんは「植物ホルモン」という言葉を耳にしたことはありますか?

私たち動物にとってホルモンは体の調子をコントロールする大切な物質ですが、
植物も同じようにホルモンを持っているのです。

そもそもホルモンとは?

ホルモンは、生き物の体内で作られる化学物質の一種です。

外からの刺激を自分の体内に伝えて、
体のなかの器官のはたらきを調節することができます。

ホルモンの働き(ヒト)

これは私たち動物に限ったことではありません。

実は植物も同じようにホルモンを出して、
自分自身の成長をコントロールしています。

植物は動物と違って動けない分、
周囲の状況にうまく自分を適応させて生きていくしかありません。

もしも寒さに弱い植物の種がうっかり真冬に芽生えたら、枯れてしまいますよね。

そういうわけで、植物ホルモンを駆使して環境に合わせた反応をすることは
植物にとって、生き延びて子孫に命をつなぐ上で欠くことのできない能力なのです。

活用法、いろいろ!

植物は日々、ホルモンを出して自分自身の体をコントロールしています。
では、そこにうまく手を加えると・・・?

例えば、植物が茎を伸ばすために作っている【ジベレリン】という植物ホルモンがあります。
このホルモンをあまり作らせないようにすれば、茎は短くなります。

茎の長さが調節できると、欲しい切り花の長さに丁度いいサイズに
植物を育てたりすることができるのです!


また、同じく植物の成長を促す植物ホルモンに【オーキシン】があります。

市販の発根剤「オキシベロン」は、オーキシンのはたらきを利用したものです。

ちなみに…


 発根剤として一般に使用される「メネデール」
 植物の光合成を活発にしたり、
 諸種の植物ホルモン自体を活性化することで発根を促します。

 効果は同じでも、そこにいたる仕組みは薬剤によって異なるのです。

オキシベロンメネデール
 植物ホルモンに限ったことではありませんが、
 植物の体の仕組みに詳しくなると
 普段のお庭のお手入れにも役立つことがたくさんあるのではないでしょうか?


このように、ホルモンの生産をコントロールすることができれば、
目的にかなった植物を効率的に栽培したり
不要な植物を取り除いたりすることができる、というわけです。

まだまだ課題も

上手に利用すれば、とっても便利な植物ホルモン。
しかし、実際に現場で使うのはそう簡単ではないのです。

難しいのは、同じ植物ホルモンが植物の種類や部位によって違うはたらきを持つこと。
そして、ホルモン同士の相互作用ではたらきが変化してしまうことです。

これらの問題に対処できないと、せっかくの除草剤も効果半減、
なんてことになりかねません。

植物が持つホルモンの高度なシステムは、
利用させてもらうのも一筋縄ではいかないといったところでしょうか。

Check!

植物ホルモンは、植物が環境に合わせて生きていくために重要な物質!
うまく使えば、植物の成長を思い通りにコントロールできる。



植物ホルモンについて、いかがでしたか?

今回登場したジベレリンやオーキシン以外にも、いくつか有名な植物ホルモンがあります。

植物ホルモン5

今後ご紹介する予定ですので、ぜひご確認ください!



【もっと詳しく!植物ホルモン】





最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

<参考>
「メネデール 製品紹介」 http://www.menedael.co.jp/
「植物の体の中では何が起こっているのか」嶋田幸久・萱原正嗣 著, ベレ出版, 2015年


↓お庭のお手入れ・改修・設計などに関するご相談はこちらから↓
-------------------------------------------
株式会社大幸造園
TEL 075-701-5631
FAX 075-723-5717
HP http://daiko-zoen.com/
-------------------------------------------