庭園日誌をご覧のみなさま、こんにちは。
スタッフの【川瀬】です。

前回に引き続き、植物ホルモンについてご紹介いたします。


さて、これまで3回に渡り紹介してきた
植物ホルモンシリーズですが、
今回がついに最終回です!

5大植物ホルモンの残り2つ、
アブシジン酸(ABA)】と【エチレン
について詳しく見ていきますよ!

アブシジン酸とエチレン

アブシジン酸

主な働き

   気孔を閉鎖する、種子の発芽を抑制する、休眠を誘導する etc...

植物は、周囲の環境の変化を感じ取って
気孔の開閉を行います。

(気孔について、詳しくは「葉っぱのしくみ」をご覧下さい!)

以前の記事では詳しく述べませんでしたが、
サイトカイニン気孔を開くためにも必要になるのです。

逆に、アブシジン酸は、気孔を閉じる働きを持っています。

気孔を閉じなければいけないのは、
強い日差しや乾燥にさらされ、
葉っぱの中の水分が少なくなってしまった時です。

気孔

植物が干からびてしまわないために、
アブシジン酸は大切な役割を担っているということです!


さらに、以前当ブログで触れたように、
ジベレリンには種子の発芽を誘導する作用があるのですが、
アブシジン酸はこれを阻害することが知られています。
(→「種の発芽に必要なものって?」

さらにさらに、植物の花のもとになる花芽を休眠させておく働きも!
(詳しくは、「春に咲く花のひみつ」をご覧ください)

アブシジン酸と花芽と種

いやはやアブシジン酸くん、こう見えてなかなか働き者です…。

エチレン

主な働き

   果実を成熟させる、茎の伸長を抑制する、落葉・落果を促進する etc...

買ってきたリンゴと他の果物を同じ場所に置いておくと、
他の果物も早く熟れるようになる、
という話を聞いたことはありませんか?

これ、実はリンゴが発するエチレンによる作用なんです。

果物の熟し方には二通りあり、
木に付いているときに起きるものを「成熟」、
木から離れた後に起きるものを「後熟」といいます。

成熟と後熟

「成熟」する果実 : リンゴ、イチゴ、ブドウ など
「後熟」する果実 : バナナ、キウイ、メロン、マンゴー など


エチレンは、「後熟」の方を促す作用を持っているというわけです。

果物の長距離輸送の際には
エチレンの発生が命取りになりかねませんから、
トラックの中などにエチレン吸収剤を置いて対処するのだとか。

追熟


 「追熟」と「後熟」はほぼ同じ意味。
 収穫後の果物をしばらく置いておいたり、エチレンで処理したりして
 熟した状態にするという意味では、「追熟」の方が耳馴染みがあるかもしれません。


このほか、エチレンは枝への接触を感知して
その伸長を抑制する効果も持っています。

これは、上に障害物があるときの対策に加え、
枝を伸ばしすぎて風で折れてしまったり、
動物に踏み折られてしまうリスクを避けるための作戦なのです。

道端に生えている樹木の枝などが、車に当たらないギリギリのところで
伸び止まっているのを見かけることがありますが、
これも車との接触によって発生したエチレンの影響だと考えられます。

エチレン伸長抑制

まとめ


Check!

アブシジン酸は、気孔の閉鎖や休眠の維持を行なう。
エチレンは果実の後熟を促すほか、植物の背丈をコントロールする。



さて、植物ホルモンシリーズ、いかがだったでしょうか。

植物が生きていくためのしくみとして欠かせない植物ホルモンたちについて、
少しでも興味を持って頂けたなら幸いです。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。



<参考>
「植物の体の中では何が起こっているのか」嶋田幸久・萱原正嗣 著, ベレ出版, 2015年
Dole Japan「 果物の追熟のはなし」(2017.9.27最終閲覧)
URL:https://www.dole.co.jp/5aday/about/column/column_025.html


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