~大幸造園からのお知らせ~
この度当社ブログ・Instagramの担当に2名!のスタッフが新たに加入しました~
新スタッフと共により充実したみどりの知識をお届けできるようスタッフ一同努めて参ります。今後とも大幸造園をよろしくお願いいたします。
今回、加入したお二方に同一のお題での記事をそれぞれ書いてもらいました。「竹はなぜ寒さに弱いのか?」私たち植木屋が造園の材料としてよく使用する竹は寒さで枯れてしまうことが多いのですが、それがなぜなのか?という内容をブログ記事にして頂きました。同じテーマではあるものの全く違った視点からのアプローチとなり驚き!二人の個性の違いが見てとれる記事となりました。
二人目、フーコさんによる「竹は寒さに弱い?&竹豆知識」
思わず「へぇー」となるような豆知識が楽しい記事です。読者の視点を大事にする人柄がうかがえる力作をご覧ください!
フーコさんは現在主に大幸造園のInstagram記事を作成しています。公式アカウントへのリンクはこちら↓
@daikozoen
庭園日誌をご覧いただきありがとうございます。
こんにちは、新人スタッフの【フーコ】です。今回の記事は採用の際のテストライティングではじめて書いた記事になります。楽しく読んでくださるとうれしいです☺
「お庭に緑が欲しいなぁ」「日本らしさの感じられる庭にしようかな」
そんなときに候補に挙がってくるのが竹。
実は竹は寒さに弱く、いつでも移植できるわけではないんです。
今回はそんな竹について解説していきますね!
竹は寒さに弱い
竹は寒さに弱いと聞いて意外に思った人も多いのでは。
特に、本州にお住いの方で、冬に雪化粧をした竹の美しさを知っている人は「あれっ?」と思ったのではないでしょうか。
しかし、日本の中でも寒い地域、特に北海道では竹林はあまり見られません。
なぜなら竹は、もともと温帯・熱帯の植物。
種類によって差はありますが、寒い地域では生育が難しい植物です。
だから、移植のタイミングは要注意。
11 月から 3 月まではうまく根付かずに枯れてしまうことが多いです。
例えばモウソウチクは地表温度 10 度以上、ハチクやマダケでは 12 度以上でないと発芽できません。
種類に合わせて適切な場所・時期に移植しないと、「せっかく植えたのに・・・」ということになってしまうかもしれません。
それでは、もう少し詳しく竹について見ていきましょう!
竹は「竹酔日(5 月 13 日)」が植えどきってほんと?
酔日(ちくすいじつ)、竹迷日(ちくめいじつ)をご存じでしょうか。
竹を植える日は 5 月 13 日が最もよく、その日に植えられないときは「竹酔日」と直接紙に書いて貼るとよい、という言い伝えです。
でも実は、これは正しくないんです!
というのも、このことわざは中国から伝わってきたもの。
中国に生えている竹は「熱帯性タケ類(バンブー類)」といって日本でよく見る竹とは種類が異なります。
ちなみに熱帯性タケ類には「マチク属」や「ホウライチク属」が挙げられます。
(ちなみにマチクはラーメンのお供、メンマの原料です!🍜)
中国のバンブーは夏にタケノコを出すので5月が適期でも、日本の一般的な竹であるマダケやモウソウチクはタケノコが出たばかりの時期にあたり、むしろ植え付けには向かない種もあります。
竹は地面でつながっている
竹は花を咲かせる周期がとても長いことで知られています。
マダケの開花周期は、なんと 120 年とも言われているんです。
それなら、どうやって竹は増えていくの・・・?
繁殖の仕方は花を咲かせ種子を落とす以外に、無性生殖という繁殖の仕方があります。
竹は地下茎からタケノコをはやし、それが成長してよく見るような地上部を形成します。
見えている範囲でつながっていなくても、実は地下でつながっているんですね!
そして地下茎には短軸型の種と連軸型の種があります。
竹には前述のとおり、熱帯性タケ類と温帯性タケ類があり、違いはここにあります。
(出典:内村悦三 創森社 タケ・ササ図鑑 2005.4)
そして、日本に多いのは温帯性タケ。
地下茎が長く伸びるのが特徴で、処置に失敗すると「思ってもいないところから生えてきてしまった・・・!」なんてことが起こってしまうかもしれません。
- マダケ族(大型~中型)
- ナリヒラダケ族(中型)
- トウチク属(中型)
- シホウチク属(中型)
- オカメザサ属(小型)
の五属があります。 中でも大型で、有用な竹が多く含まれているのがマダケ族。日本・中国・東アジアに 30 種が生育しています。
雨後のタケノコ
竹がよく成長するための条件は温度だけではありません。
竹は成長するためとタケノコを出すために水分が多量に必要です。モウソウチクのタケノコが伸びるのに必要とする水分量はおよそ 20 リットル。水分があるほどタケノコが出やすいんです。
「雨後の筍」は同じようなものが一気にたくさん出てくるという意味のことわざですが、雨のあと、一気に出てくるタケノコが同じ地下茎から出てくることを考えると納得ですね。
そして、裏を返せば竹が生えるところには水があるということ。 地質学者が井戸水採掘の良否の判定に使うこともあるそうですよ!
日本のお庭に見られる竹
日本にある竹の多くが温帯性タケ類ですが、種類や特性、見た目もさまざま。ここではお庭に見られる竹の一部を見ていきたいと思います。
(画像出典 庭木図鑑 植木ペディアhttps://www.uekipedia.jp/)
ここでは一部しか紹介できませんが、特定の地方にしか存在していない竹など、いろいろな種類が存在し、それぞれの持つ表情は様々です。 そんな奥の深い竹をお庭に取り入れてみてはいかがでしょう✨
ここまで読んでいただきありがとうございました。 竹はまだまだ謎に包まれた部分もある、魅力的な植物です。 竹の面白さがすこしでも伝わったら幸いです。
内村悦三(2005)『タケ・ササ図鑑 : 種類・特徴・用途』 創森社
内村悦三(2009)『現代に生かす竹資源』 創森社
室井綽 (1994)『竹の世界 Part 2』 地人書館
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