庭園日誌をご覧のみなさま、こんにちは。

スタッフの【はやし】です。



軒下に何か植えたいけど、植える度に枯れてしまう…。
という方、必見です。
今回は、どうして軒下に植物を植えると育ちにくいのか?
その理由をご紹介します!
しおれた花

さらに、
そんな軒下をどう活用できるのか、その環境ならではの素敵なお庭造りの例をご提案します✨


軒下に植えると育ちにくい理由



植物を軒下に植えても育たないことには3つほど理由が考えられます。


  1. 暗くて乾燥している

  2. 風通しが悪い

  3. 軒下の環境に適応できない種類の植物を植えている


ということです。


それぞれ原因を見て行きましょう。


暗くて乾燥している



軒下付近は一般的に雨や夜露が当たらず、乾燥した場所です。
もちろん日光もあたらずひんやりとしています。


つまり、植物の光合成に必要とされる光・水分の両方が欠けている環境なのです。


もちろん光合成には光が欠かせないというイメージですが、
水分もそれに大きく貢献しているんですよ。


少しおさらいです。
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光合成では、植物によって光がエネルギーとして利用され、
その過程で水分(水)が分解されて初めて酸素が出されます。
こうして植物は無機炭素から有機化合物を合成するのです。


光合成については以前の記事でも詳しく紹介しています!この機会に是非お立ち寄りくださいね⇓



水分は光合成に必須。だから、植物は水分を得るのに必死です。


そういう植物たちにとって、軒下に雨も夜露も当たらないというのは致命的です!


本当?私の軒下の土には十分水がとどいているのに・・・という方。


なんと、植物は根だけでなく葉からも水を吸うということはご存知でしたか?
(葉から取り入れる水を、一般的には「葉水(はみず)」と呼んでいます。)
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そのため、いくら雨が地表をつたって軒下を濡らしても、
夜露が葉の表面にかからない環境では水分不足になっているなんてことも・・・!


軒下の植物は、基本的に


夜露がかからないため葉水が不足しており、光合成に必要な日光も与えられていない


ということが言えます。


そのため、軒下の暗くて乾燥した環境に明るくて湿った環境を好むような植物を植えると枯れてしまう可能性があります。


養分や水分は葉でも吸収される?


養分や水分は根からのみ吸収されているわけではありません。


私たちの目にする陸上の植物は、もともとは水の中に暮らしていたということは知っていましたか?


水生植物が進化してできたものが現在の陸上植物だといわれているんです。


そのため、進化で陸にあがってきてからも体の表面で水中から養分を吸収する能力が残り、
根からだけでなく葉や茎の表面からも養分を吸収する能力をもっているのだそう!


養分の葉からの吸収に大きく関わっているのは「気孔」


もちろん水分吸収は根からの割合がとても大きいですが、
水分も表皮細胞を通して葉に浸透するか、気孔を経由して葉に入っていくと検討されているのだそうです。


気孔は光合成と大きく関係するため、光合成の主要な場であるに多く見られます。

気孔

※葉の断面を模したもの。この葉の表面の小さな孔(あな)が気孔。
気孔構造

※葉の表面から見ると、こんな形!


葉のしくみについて、詳しくは過去の記事もあわせてぜひご覧ください!⇓



風通しが悪い



光・水の条件に加え、軒下の風通しが悪い場合は事態が悪化してしまいます。


光合成で、植物はまわりの空気中の二酸化炭素を消費します。
地球の大気は植物にとってみると二酸化炭素が薄い状態。


その上、二酸化炭素は消費するたび周りから減っていきます。


だから、二酸化炭素を効率よく吸収するには空気が頻繁に流れて入れ替わる環境が適しているのです。
換気

かといって、風が激しく吹き過ぎたらいいのかというとそうでもありません。


植物は


  • 風通しが悪いと二酸化炭素が足りずにうまく光合成できない

  • 風が強すぎたら葉が傷んでしまう


という問題を抱えているんです。
強風

軒下は光合成に向いていないからあきらめるしかないのか・・・
と思った方。


植物の性質は種類によって違う


ということをお忘れなく!


軒下の環境に適応できない種類の植物を植えている



植物は基本的に光と水分を好みますよね。
しかし中には
あまり光が当たらず、比較的乾燥した環境
を好む植物もいます。


もしかしたら、軒下の植物が育たないのは種類が適していないからかも…?!


いまいちど、
軒下に植えるのに適した植物の種類とそれを活用したお庭づくりを一緒に考えてみましょう。



種類を知ろう ~ドライ・シェード・ガーデン~



光も水分も最小限の環境で生息できる、
そんな植物たちを集めて、軒下だって素敵なお庭にできちゃいます!


日光が届きにくく、乾燥した環境を活用したお庭を
「ドライ・シェード・ガーデン」
といいます。


これ、主に欧米などで盛んに取り入れられている庭園なんです。


shade

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※日陰のあるベンチ空間。
軒下の環境にぴったりですね。


さて、そんな環境に適した植物として代表的なものをご紹介!


以下、イギリスのオンライン雑誌「Gardener’s World.com」におすすめされているドライ・シェード・ガーデンのための植物を抽出してみました。
植物の性質(表)

これらをそれぞれの特色に応じて図にまとめると、
おおむね下のような結果になります。
表2

日光や水分をあまり必要としない種類とはいえ、それぞれわずかに特性が違っていますね。
※植物個体によっても異なってくるので、一概に表にまとめた通りにはならない事もあります!


水分と日光に着目して、
ご自身の軒下の環境に適した植物を選んで植えてみるとなにか変化があるかも…!?


軒下環境を味方につけて、素敵なガーデンライフを楽しみましょう!




長くなりましたが、
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。



<参考・引用>

BSI生物化学研究所「化学肥料に関する知識」 File No. 36「葉面散布と葉による養分吸収」
http://bsikagaku.jp/f-knowledge/knowledge36.pdf
“Gardening in the shade”University of Minnesota Extension
https://extension.umn.edu/planting-and-growing-guides/gardening-shade
LOVEGREEN 「イングリッシュガーデンって?デザインや作り方、おすすめ植物30種」
https://lovegreen.net/garden/p265960/#a3
Rice, Graham. Planting the Dry Shade Garden: The Best Plants for the Toughest Spot in Your Garden. Timber Press, 2012
“20 plants for dry shade” BBC Gardener’s World Magazine
https://www.gardenersworld.com/plants/20-plants-for-dry-shade/
一般社団法人 日本植物生理学会 みんなのひろば 『植物Q&A』「気孔から水が浸入することはありますか?」
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3141#:~:text=%E5%85%89%E3%81%8C%E5%8D%81%E5%88%86%E3%81%A7%E6%B0%97%E5%AD%94,%E3%81%8B%E3%82%89%E3%82%82%E8%B5%B7%E3%81%8D%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
大阪大学大学院工学研究科 環境・エネルギー工学専攻 地球循環共生工学領域 研究紹介(4)
「維管束植物の葉面吸水・下向き水移動」
http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/ge/mach/research/theme4/index.html
東京薬科大学 応用生命科学科 キーワード解説 「光合成」
https://www.toyaku.ac.jp/lifescience/departments/applife/keyword/word-018.html#:~:text=%E5%85%89%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E5%85%89%E3%81%AE,%E3%81%BE%E3%81%9F%E5%85%89%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%AB%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82





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