庭園日誌をご覧のみなさま、こんにちは!
スタッフの【わかば】です。
皆さんは、「石」と聞いたら、どんな色のものを想像しますか?



石の色には無数のバリエーションがあり、その中から美しいと思うものを私たち人間は昔から愛でてきました。
今回から3回に分けて、石の色がどんな理由で変わるのかについて、ご紹介します!
- 石の色を決める、6つの理由
- 鉱物の色
- 風化作用
- まとめ
石の色を決める、6つの理由
石の色を決める主な理由は、次の6つです。
- 鉱物の色
- 風化作用
- 粒径
- 表面状態
- 変成作用
- 不純物
難しそうな言葉が並んでいますが、それぞれ丁寧にご説明しますので、「ふーん、そんなことで石の色が変わるんだ」と、気楽に読んでいただけたらと思います!
今回は、「鉱物の色」と「風化作用」について解説します。
鉱物の色
地質学では、「岩石」とは、小さな石ころから大きな岩までひとまとめにした言葉です。岩石を顕微鏡で拡大して観察すると、小さな粒が集まってできていることが分かります。

これらの粒のことを「鉱物」と呼びます。実は、石よりもずっと小さいこれらの鉱物ひとつひとつがそれぞれ色を持っています。透明や色の薄い鉱物が集まってできた岩石は白っぽくて、濃い色の鉱物による岩石が黒っぽく見えるというのは、想像に難くないのではないでしょうか。
このように、鉱物の本来持っている色彩的特徴によって、岩石の色は変化します。
実際の岩石を例にとって、鉱物を観察してみましょう。

↑のような白い花崗岩を顕微鏡で拡大して観察してみると、、、

このように白っぽい(色の薄い)鉱物でできています。これらは「石英」、「長石」と呼ばれるような色の薄い鉱物で、花崗岩を作っている主な鉱物といえます。時々見られる黒い鉱物は、「黒雲母」と呼ばれる鉱物です。
今度は黒っぽい石を見てみましょう。

↑みたいに黒っぽい玄武岩を観察すると、、、

白い鉱物も見えますが、濃い色の鉱物が集まっていますね。これらは「輝石」、「かんらん石」と呼ばれています。
このように、もともと入っている鉱物の種類によって、あらかた色合いは決まってきます。
風化作用
いきなりですが、次の2枚の写真を見てください。


これらは、どちらも同じ花崗岩です。石材屋さんでは「御影石」と呼ばれていたりします。白と黒の鉱物が集まってできているのが見て取れますが、上の石はいかにも「白い石」という感じのすっきりとした色合いをしているのに対して、下の写真は味のある褐色を呈しています。
このように、同じ石でも色合いが変わってくることがあるのですが、これは「風化作用」と呼ばれるものが原因となっています。岩石が雨や風や日光に長時間さらされることで、表面が削られたり、錆びたり、溶けたりして風化作用は起こるとされています。

「風化」というと、なんだか石や岩が朽ち果てていくイメージが浮かんでくるかもしれません。実際、風化作用が進んだ石はもろくなっていき、最終的には壊れて砂になってしまうものもあります。上の写真は花崗岩が風化してばらばらになった「真砂土」と呼ばれるもので、園芸用土の代表例とされています。
しかし、庭石にとっては、風化作用は悪いことばかりではありません。風化によって生じたざらつきやサビは、庭石にとって価値のある特徴になることがあります。ゆっくりと長い年月をかけて石の表情が変化していくのを感じることは、庭石特有の楽しみ方といえるでしょう。


まとめ
今回は鉱物と風化作用が石の見た目に与える影響についてご紹介してきました!
次回は粒径、表面状態についてご紹介したいと思います!
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