こんにちは。【しっぺい】です。

植物はいったん根を張り生長し始めると、
外敵から攻撃を受けても動物のように逃げることができません。

しかし植物は、独自の方法で自分たちの身を守る方法を身に付けています。



アレロパシーってなんだろう



アレロパシーという言葉をご存知でしょうか。


あまり聞きなれない言葉ですが、日本語では「他感作用」と訳されており、
『植物が放出する化学物質が、ほかの生物に阻害的または促進的な
何らかの作用を及ぼす現象』が原義です。

アレロパシーは特定の現象を指すのではなく、多様な現象の総称です。

その作用は、特定の物質が、
特定の条件下(開花期、生育初期など)で、
特定の作用経路(根から出る、葉から放出されるなど)を経て、
特定の環境条件下(光や養分・水分条件、気象条件など)において、
特定の生理作用(阻害、促進など)を引き起こすものです。

植物種によっては全く作用しないこともあります。



アレロパシー作用を持つ植物



有名な例はセイタカアワダチソウです。

この植物は根や地下茎からアレロパシー物質を分泌し、
他の植物が生長することを抑えます。

したがってセイタカアワダチソウが一度根を伸ばすと、
その付近では新たな植物が侵入することは難しくなり、
セイタカワダチソウが広範囲にわたって繁茂することになるのです。

セイタカアワダチソウ

このような能力はセイタカアワダチソウに限ったものではなく、
非常に多くの植物がアレロパシー物質を持つことが明らかになってきました。

アカマツもアレロパシー作用を持つため、その周辺には草本植物はほとんど生えません。

また、今の時期によく見られるヒガンバナの球根には有毒物質が含まれており、
土手に植えることで雑草を抑制したり、土手に穴をあけてしまう
モグラやネズミ除けに使われたりしてきました。
ヒガンバナ

アレロパシー物質は、根から放出される以外にも
雨や露によって葉からしみ出るもの、植物の刈枝や落葉から放出されるもの、
葉などから揮発性物質として放出されるものがあります。

特に揮発物質として放出される場合は、
昆虫や微生物を防ぐはたらきが大きいことが分かっています。


アレロパシーのこれから


現在、農業の分野において、
雑草駆除のためにアレロパシーを活用する研究が進んでいます。

草で草を退治することで作物に害を与えずに雑草を防ぐことができ、
環境に与える影響も少ないことから発展が期待されています。




本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。



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