皆さんこんにちは!スタッフのフーコです。夏も終わり、涼しくなってきましたね。散歩をしていて心地よい風が吹くと、秋っていい季節だなあと感じます。
皆さんの秋の楽しみは何でしょうか?旬の味覚?読書?運動?・・・
中でもこの時期しか楽しめないのが、そう!紅葉です!✨

紅葉(もみじ)狩りにお出かけに行く方も多いのではないでしょうか。
・・・ところで葉っぱがどうしてあのように色づくか、皆さんはご存知ですか?

この記事ではそんな疑問を解決していきます!これを読めばきっと紅葉狩りがもっと楽しくなりますよ!

葉が色づいてゆくメカニズム

紅葉1

植物は光合成をして生きています。そのために必要なのが葉緑体。文字通り緑色をしていて、その原因はクロロフィルという物質です。
その他にも黄色のカロチノイドという物質が含まれていますが、クロロフィルの方が量が多いため、葉は緑色に見えます。

ところが秋になるにつれ、葉は老化していきます。すると活性酵素が生じ、クロロフィルを分解してしまいます。
緑色のクロロフィルが葉からなくなると、カロチノイドの黄色が目立ってきます。イチョウが黄色く色づくのはこのようなメカニズムなのです。

紅葉2

しかし、カエデなど植物の葉は赤くなっていきますよね。これはクロロフィルが分解されるのと入れ替わりにアントシアニンという色素が葉の中に生まれるからです。


クロロフィルが分解され始め、葉が消費するエネルギー>生成するエネルギーとなると、木は葉を切り落とそうとします。木は葉の根元に離層と呼ばれるコルク層を作り、枝から葉への水や栄養分が流出しないようにしてしまいます。すると、葉にまだ残っているクロロフィルが生成した養分(グルコース)も木に届けることができなくなり、グルコースが葉に過剰蓄積されてしまいます。このグルコースが紫外線を浴びるとアントシアニンという赤色の色素に合成されます。このようにして葉は赤くなるのですね!


「もみじ」と「かえで」

もみじは「紅葉」または「黄葉」と書き、これらは漢語からの当て字だそうです。もみじの語源をたどってみると、実は動詞なんですよ。

歴史的仮名遣いは「もみぢ」。葉っぱが色づくことを、色を揉みだす意で「もみつ」といい、その連用形「もみち」が名詞化したもの。平安時代ごろに「もみぢ」と濁音化したそうで、万葉集にも紅葉狩りというワードが出てくるそうです♪一方で、カエデの語源は「カエル手」。確かに、そっくりな形です・・・🍁もみじとカエデはすべてムクロジ科カエデ属なので、植物学的にいえばモミジもカエデということになるのですが、園芸の世界では、切れ込みが深く数が多いものをモミジ、浅く少ないものをカエデと呼んでいるそうです。


紅葉に必要な条件は?

上の説明から、葉のなかのクロロフィルが減少し、アントシアニンが増加する事が紅葉の条件であった事が分かります。そのためにはどのような環境が必要になるのでしょうか。

明確にはなっていませんが、現段階での定説として、①気温②日照③水分量があげられます。紅葉3

①気温

紅葉には夜の最低気温がある程度まで下がることが重要な条件となります。

カエデ類においては、日最低気温が常時8℃を下回る時期からクロロフィルが減少し始めるとされています。グルコースは光合成により、日中生産され、アントシアニンに変換されるのは夜間です。夜間の気温が高いと、夜の間も葉が活動してしまって、アントシアニンが合成されません。そのため、夜に植物が凍り付かない程度に(植物を傷つけてしまうため)気温が下がる必要があります。

ここで、面白い研究をご紹介します。日最低気温(℃)-8℃の和がクロロフィルの現象量と比例しているという研究があります。この研究内では温暖化の進んだ都市型のイオンと冷え込みの激しい山間部型の気温におけるイロハカエデの発色を研究した結果、校舎の方が鮮やかに色づいており、落葉準備期間中に積み重ねた低温の量が紅葉の発色を左右すると考察されています。(参考(1))


②日照

日中十分な日光を浴びる事も重要な条件です。「秋に快晴の日が続くと紅葉しやすい」と一般的にも言われている通り、シーズン中の日照がアントシアニンの合成に大きく影響します。


アントシアニンは日光の刺激により生合成されると広く考えられています。これは、日の当たりにくい下の方の葉が日の当たる葉に比べて紅葉しにくい事や、裏側が日に当たっている葉は裏側の組織から赤く染まっていくという報告から予想されます。

一説ではアントシアニンは葉を紫外線から守るための日焼け止めとしてつくられると言われています。紫外線を遮る役割を担っていたクロロフィルが減少して葉緑体を紫外線から守る盾がなくなってしまうため、新たな色素アントシアニンを合成し、色素を保護しようとしているのではないかという説があります。


➂水分量

適度な水分量も必要な条件です。

水辺の近くでは適度な水分が葉に保たれてピンと張った葉となります。また、経度な水ストレス(水分の不足)は紅葉を促進するという説もあります。

つまり、葉がハリを失わない程度に最低限の水をやる事が最適と考えられます。


これらが紅葉する主な条件です。場所や年によって紅葉の具合が異なるときは、この3つの要件をチェックしてみると原因が分かるかもしれませんね🔍


紅葉クイズ!

もみじという単語は時に楓以外を指す言葉としてもつかわれます。例えば・・・鶏肉の足!形が似ているから、そうよばれているのだそう。大分県の郷土料理として有名なようです。さて!このような様々な使われ方をする紅葉にまつわる単語を集めてみました!クイズ形式にまとめたのでぜひ一緒にお考え下さい♪


  1. 紅葉重ね

  2. 紅葉おろし

  3. 紅葉鍋

  4. 紅葉鍋

  5. 紅葉鳥

  6. 紅葉筵

  7. 紅葉を散らす

  8. 紅葉のような手



①着物の色目。表が赤、裏が青の重ね方。②唐辛子の入った大根おろし。➂鹿肉鍋④鹿の事。花札のシカにもみじが由来だそう。⑤地面いっぱいに散った紅葉が広がっている様。⑥若い女性がほほを赤らめる事。⑦幼児の小さい手





参考
(1)『イロハカエデの落葉に及ぼす低温の影響に関する実験的研究』松本太・2004
(2)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%81%BF%E3%81%98_(%E9%83%B7%E5%9C%9F%E6%96%99%E7%90%86)
(3)http://yain.jp/i/%E7%B4%85%E8%91%89
(4)https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-210
(5)https://kotobank.jp/word/%E7%B4%85%E8%91%89%E3%83%BB%E9%BB%84%E8%91%89-398661




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