芝生


庭園日誌をご覧の皆様、こんにちは!

スタッフの【はやし】です。


lawn with a house


いつ見ても緑でつやつやとした芝生は永遠のあこがれですよね。
今回は、きれいな芝生を保つための芝生のお手入れ方法を「お手入れの大切さ」から「土壌管理・施肥のコツ」までご紹介します。6つのポイントを2つのパートにわけてご紹介していくので、興味がある方はお立ち寄りください✨





芝生のお手入れの大切さ



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芝生の緑は一般的には芝草(しばくさ)で作ります。まず押さえておかなければならないことは、芝草は花壇の植物たちとは違い、そばに生えている仲間とつねに栄養分、水分、日光を激しく競い合って生育しなければならないということです。



芝草たちの生存競争をなによりも激化するのは、不自然な条件下の生長を強制されることです。芝生に使用されるイネ科植物のほとんどは、正常に育てば45~90センチの草丈になります。それを人間は5から8センチ以上の高さに制限しています。これでは、根や茎が育つのに必要な葉が取り除かれてしまい、旱魃(かんばつ)による被害や雑草との競争で大きな脅威にさらされやすくなります。そのため、芝生の手入れの大部分は「水や太陽や栄養分などを奪う雑草から芝を守ること・無理に短く切られてしまうことによって芝から失われるものを人工的に補ってやること」だといえます。
お手入れには、以下の5つのポイントを押さえることがポイントです!

土壌管理・施肥・水やり・芝刈り・除草



さっそく、今日は土壌管理施肥について一つずつコツを見ていきましょう。



土壌管理のコツ



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「きれいな芝生は中性の土壌から」
強酸性、強アルカリ性の土壌では肥料が溶けにくく有効性も限られてしまいます。きれいな芝生を目指すなら、まずは土壌検定器のセットなどで土壌の酸性、アルカリ性度合いを調べましょう!
芝草のほどんどは、6.0~7.0の穏やかな酸性をした土壌がもっとも適しています。酸度の穏やかな土壌の下だと、有機物をよく腐らせて植物を強く育てるための栄養源を作るバクテリアが活発に活動するのです。


* POINT
日本ではたいていの場合、土壌が強酸性にならないように気を付けましょう!酸とアルカリの状態は雨と関係があります。アメリカ東海岸、太平洋側の北西部、日本など雨が多く降る地方では土壌を中和するカルシウムやマグネシウムが雨水に溶けて流失するため土壌は酸性化する傾向があります。逆に雨が少ないとアルカリ性になる傾向にあります。

土壌の酸度とアルカリ度を調節するには?


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酸度・アルカリ度の調節には主に
① 石灰を加える・②硫黄を加える


という方法があります。


①石灰(酸度を調節)


芝生の土壌の中和に適した石灰には


  • 炭酸カルシウムが結晶した方解石

  • 炭酸カルシウム・マグネシウムである白雲石


の2種類があります。寒冷地では秋の終わりか、春の早いうちに与え、温暖地では秋の終わりごろにあたえるのが一般的です。そのあとは3年おきに施すのが適切で、一度に多く与えないようにしましょう。
※たくさんの石灰が必要なときは何回かに分けてやり、一度やったら6カ月後に次を施します。


②硫黄(アルカリ度を調節)


芝生の土壌の中和に適した硫黄にも


  • 純粋な硫黄

  • 硫化鉄


の2種類があります。土壌に施した後はただちに水をやりましょう。



土壌中のバクテリアと酸度

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バクテリアは土壌が中性に近いときに最も効果的に働きます。バクテリアの酵素システムは肥料に含まれる葉の生長に重要な養分となる窒素化合物を複雑な化学転換によって植物が養分として利用できるような別の化合物に変換します。このシステムは土壌に酸があると活動を抑制されてしまうため、強い酸性の土壌だと十分に肥料をやっても芝が栄養不足になってしまうことになるのです。

施肥のコツ


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「芝生のやせる原因で一番多いのは肥料の不足・やりすぎ」。芝生の生育に必要な成分は、適切な量の肥料で供給しましょう。芝草の生育に必要な主な成分は以下の表のとおりですが、中でも窒素は生長に一番大切な成分です!



















成分 役割
窒素(N) 緑葉素を作る・生育に関わる
リン酸(P) 根を伸ばす・密度を高める
カリウム(K) タンパク質やデンプンの合成

いつ、どれだけの頻度で肥料をやるかというのは、肥料のタイプによって様々です。一般的に使われる速効性肥料、芝生によく使われる遅効性肥料の主な2種類についてそれぞれみていきましょう。



遅効性肥料を使う場合(芝生専用肥料など)


寒冷地:春と初秋(1回目の施肥は春、2回目は夏の終わり)
温暖地:夏の一番暑い時期(1回目の施肥は春、2回目は真夏)



速効性肥料を使う場合(農業用化成肥料など)

多量の養分が大雨や灌水によって流されてしまうため、施肥の回数を月に一回、もしくはそれよりも頻繁に肥料を与える。必要量を半分にし、月2回散布するのが一般的。



* POINT
速効性肥料を基準にした場合、生育期間中に1カ月に1㎡あたり3gの窒素成分を与えるようにしましょう。そのためには、だいたい1500㎡の芝生に窒素・リン酸・カリウムが8%ずつ入った肥料を1カ月に60kg散布する計算になります。




<参考・引用>

芝生の維持管理方法 (tokyo.lg.jp)
『世界の園芸百科 芝生とグラウンドカバー』(タイム ライフ ブックス,1975)





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