庭園日誌をご覧の皆様、こんにちは!

スタッフの【はやし】です。


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猫や犬はいつも身近に感じられる、私たちにとって大切な仲間です🐈🐾
でも時々、我々造園家にとってはちょっと厄介な存在になってしまうことも事実です...。
猫たちは苔庭や細かい砂利石、白川砂の庭園に糞を置いていきます。
特に野良猫のした糞は苔を枯らすこともあり、折角の枯山水庭園の美観を損ねてしまうんです。



そこで今日は、そんな猫被害を市販の猫除け用商品以外で防ぐ方法をご紹介したいと思います。市販の猫除け以外にもバリエーションを取り入れ、私たちも猫たちも、お互い快適に過ごせるようなお庭を目指しましょう!






猫除けのポイント



猫除けを効果的に行うには、まず猫が好む場所の特徴を知っておく必要があります。猫の好む場所には主に以下の3つの特徴があります。



  1. やわらかい土・砂・芝生などがある

  2. 人の出入りが少なくて静か

  3. 餌を手に入れやすい


これらの特徴を減らしていくことが猫除けの目的です。うちの庭、あてはまるかも?と思った方は要注意。猫除けのポイントをしっかり把握しておきましょう。


猫除けで大切なポイントは、猫の縄張り意識を利用して、猫がその場所にいたくないと思うようなことを慣らすことなく反復・継続して継続することです。もちろん個体差があるため、反応しない猫もいることをお忘れなく。


猫が及ぼす被害とは

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猫が私たちに与える影響を今一度確認しておきましょう。一般的に猫をよけなければならない理由は人体・お庭・近所という3点から考えられます。


  • 人体への影響:植物のための一般的なたい肥は草食動物のもの。草食動物とは異なる病原体や寄生虫を含む肉食の野良猫の糞は、庭にあるものを口に入れる場合人体に被害を与える可能性があります。

  • お庭への影響:野良化した猫は小鳥や小動物を殺す傾向にあるため、せっかく昆虫や小鳥を呼び寄せる受粉によい庭の環境を乱す恐れがあります。

  • 近所への影響:猫はかわいいからお庭に入れておきたいですよね。しかし、被害の大きさによってはご近所づきあいも悪化する可能性が大きいのです。






猫除け①構造物を使う


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猫除けにはまず構造物を使って対策してみることが先決です。これは猫の侵入口や被害がある場所に設置することで被害を防ぐ方法です。
猫を物理的に近づけないので、うまくいくと被害が少なくて済むというメリットがあります。しかし、すり抜けられないよう隙間を作らないよう設置する必要があり、一部景観を損なう可能性があるというデメリットも存在します。

※とげとげシートなど市販のものを使わない方法をご紹介。


猫の侵入経路に設置すると効果的なもの




  • 金網・ネット・柵:とび越えられない高さ(1.5mほど)の網、柵、ラティスで囲う
    か、侵入路をふさぐ。

  • 釣り糸・テグス:猫の足が引っかかる高さになるように侵入口に張っておくと、糸は猫に見えないので何かが触れる感覚を嫌う。


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猫が歩くところに敷き詰めると効果的なもの


猫はとげとげしていて歩きにくい場所や足裏がベタベタする場所を嫌うので、以下のものを歩くところに設置してみましょう。



  • 目の細かい網:地面に敷くと爪がひっかかるため歩きにくくなる。

  • 粘着テープ:ガムテープなどの粘着面を上にして設置する。※粘着力が落ちたら交換する必要がある

  • 灰をまく:猫の足について嫌がる。

  • コンクリート:やわらかい土の地面は猫のトイレの場所になる可能性が高いので、タイルやコンクリートで覆うことも効果的。

  • 大きくて角のある砂利・松ぼっくり・ヒイラギの葉:猫が歩くところに敷きつめる。

  • 枯れ枝:球根や種を植えているところに敷き詰める。※ヒイラギの葉を花壇等の表土にすき込むと掘り返されにくい


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ちょっとひと手間!効果的な植物を植える①

手間はかかりますが、トゲのある植物・地面を覆う植物を植えるというのも効果的な手段の一つです。猫はとげとげした場所を嫌がりますし、目ぐらいの高さ(10~30cm)の茂みを嫌がるという習性もあります。お庭で育てる植物を今一度見直してみるのもいいかもしれませんね。


トゲのある植物の例

バラ、サボテン、ヒイラギ、カラタチ、コニファー(地面に沿って伸びるタイプ)など

サボテン

※(例)サボテンはスタイリッシュなお庭に最適。


地面を覆う植物の例

【日当たりが良い庭に適した例】タイム、ヘリクリサム、ビオラ、オランダイチゴ、ブルーフェスク、レモングラス、ゼラニウムなど

ゼラニウム

※(例)ゼラニウムはお庭の主役級の存在に。
【日陰の庭に適した例】アイビー、ツルニチニチソウ、グレコマなど

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※(例)お庭に雰囲気を添えるアイビー。

*POINT

なるべく茂みの高さが高く、密になるようにしましょう。下のやわらかい土を見せないよう工夫するのも大切です。この際、軽石等を敷けば全体を植物で覆わなくてもよくなります。相乗効果を狙うならば、ハーブ系・柑橘系の香りをもつ植物を植えてみると効果的ですよ。




猫除け②忌避剤を使う


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猫除けの方法の2つ目は、忌避剤を使うことです。これは猫の嫌がる臭いや刺激性によって猫を近づけにくくする方法です。手軽に入手でき、景観を損なわないものが多いというメリットはとても便利なものです。しかし、雨や風で効果が薄れて持続しない・猫が臭いに慣れると効かなくなるなどのデメリットがあります。継続して使用する必要があるうえ、時々種類を変えなければならないため少々手間かもしれません。

市販で売られている猫除けの薬品以外で役に立つものをご紹介。


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  • 木酢液、竹酢液:4~8倍に希釈して散布、または布などに浸透させるか容器に入れて置く。消臭・虫除け・土壌改良効果も。

  • 食用酢:2~10倍に希釈して散布、または原液を布などに浸透させて容器に入れるか容器に入れて置く。※持続時間は 1日程度、植物に有害なので注意。


加工して忌避剤を作ってみよう


【材料】


  1. 竹酢液(400ml程度)

  2. 唐辛子(10~15 本)

  3. レモンバームの葉(20~30 枚)


【つくり方】

まず、 500ml 入るペットボトルに材料を入れます。そして、 1~2 日経った後にレモンバームと唐辛子を取り除きます。あとはお好みで4~10倍に希釈して使うだけ!




  • 生にんにく・唐辛子:細かく刻んで撒く、ネットでつるす、粉末状のものを撒く

  • 挽いたコショウ・カレー粉などの香辛料:散布

  • コーヒー粕・茶殻:臭いは消えやすいため毎日撒く必要がある。

  • 米のとぎ汁:とぎ始めの濃い汁を毎日撒く

  • ミカンなどの皮:柑橘類の皮を撒くか、柑橘類の香料を置く

  • 重曹:粉のまま撒く、土に混ぜ込む、水で薄めてスプレーするなどの方法がある。消臭効果がある。※一部の植物に影響を与えるうえ、重曹自体に忌避効果はないため、他の方法と組み合わせる必要があるので注意


ちょっとひと手間!効果的な植物を植える②

ハーブなどの植物を直接植えたり、鉢植えを置いたりするのも猫に効果てきめんです。景観・防虫効果・効果の持続の点で大きなメリットがあるほか、ハーブ系の香料を置くだけでも効果が期待できるのでおすすめです!


植物の例


ローズマリー、マリーゴールド、ラベンダー、ゼラニウム、ユーカリ、レモングラス、ペパーミント、タマネギ、ニンニク、チャイブ、どくだみ、柑橘系の植物など


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※(例)景観も香りも素晴らしいラベンダーの花





猫除け③その他効果的な方法


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その他の方法としては、猫の嫌う音を使って猫除けにする水を使って物理的に追い払うなどの手段があります。最終手段としては、猫のトイレの場所を作ってあげることで他の場所を猫に避けさせるという離れ業もあるんです!


水を使う


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猫は水に濡れるのを嫌います。ホースなどで地面を濡らしておくか、猫の視界に入らない場所から水鉄砲をかけるなどの工夫をしましょう。猫は人がかけていることがわかると留守中に侵入するので、注意して目につかないようにしましょう


猫の嫌う音を使う


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市販では猫除けセンサーなどの超音波発生器や猫が通過すると音がする防犯用のブザーなどが売ってあります。しかしその超音波や音が子供や耳のいい人の被害につながることも残念ながら多いのです。音という点で猫を遠ざけるにはほかにアルミホイルを敷くという方法があります。猫は乗った時の感触や音を嫌うといわれています。


最終手段


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猫のトイレを作ってあげるという手もあります。決まった場所で糞をしてもらうことで最悪の事態を防ぎます。箱やプランターにやわらかい土や砂を入れるだけでも代用できます。











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