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庭園日誌をご覧の皆様、こんにちは!

スタッフの【はやし】です。



芝生をきれいにはった後のお庭に、雑草がにょきっ。大切にしているお庭だからこそ、とてもショックなことですよね…。種をまいたはずがないのに、なぜか雑草がたくさん生えてくるということに悩むことはありませんか?

そもそも、種をまいてないのに雑草が生えてくるなんてことがあるのでしょうか。今回はこんな疑問を皆さんと一緒に解決していきます!





本当はどこかに種がある?!


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種をまかなくても芽が出てくるように見える現象は特にめずらしくはありません。昔から、雑草は種をまいていなくても思わぬ場所で発芽してくるものという印象がありました。そのため、昔の人は草が土から勝手に生えてくると思っていたこともあるのです。
発芽

しかし、種をまかないのに芽が出てくることは絶対にありません。この原因には


  1. 本当はどこかに種があった
  2.  
  3. 地面の下に茎や根がかくれていた
  4.  

という2つの可能性があげられます。



一つ目に関しては、種を誰かが隠すというわけではなく、種の思わぬ場所に移動する性質が大きな原因といえます。

雑草に限らず、種は植物にとって繁殖するための大切な手段です。植物はできるだけ遠くに、できるだけ多く自分の子孫を殖やそうとする特徴があります。その理由は、一つの土地の養分を同じ種で取り合わないようにし、自分の子孫が生き残りやすいように数を殖やすことにあります。ですから、植物は様々な手段を使って種を遠くへ運ぼうとします。

このとき運んでもらう手段として使われるのが、風や動物などです。例えばタンポポは花を咲かせた後、綿毛を作りますよね。この綿毛の一本一本に種がついていて、それぞれが風に乗って飛んでいきます。また、カタバミは果実がはじけるときに種を飛び散らします。

タンポポとカタバミ

やっかいな雑草~一年生の場合~


  1. オヒシバ
    イネ科。
    地面が硬いところでも生えてくる上に、引き抜こうとすると途中で切れてしまうという特徴がある。根が強く、ふんでも枯れない。

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  2. エノコログサ
    イネ科。
    直射日光に強く、乾燥にも耐える。穂から種が落ちて繁殖する。

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さらに、動物に種を運んでもらうために植物は果実を利用します。果実を実らせることで、植物は種が完全に生長しきるまで保護することができ、かつ動物を引き寄せてそれを食べてもらうことで遠くへ運んでもらうことができるのです。例えば、オナモミやイノコズチは種を含む果実を動物の体につけて移動させ、種を拡散します。

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👇過去のブログで果実の仕組みや植物が殖えるしくみを詳しく紹介しています!


すべての植物の種が移動したその場ですぐに発芽するわけではありません。他の植物の陰になったり乾燥した環境に置かれて水不足になったりして発芽できないもの、温度が発芽に適していないものなど、さまざまです。だから種は、自分に発芽できる最高のタイミングをずっと待ちつづけるのです。そして、その時期が来たら発芽します。そのため、まるで種をまいていないのにある日突然雑草が生えてくるように見えるのです。


雑草がなくならない理由は種にある?


雑草の種はその数がとてつもなく多いうえに、日光を味方につけるため発芽を阻害するのはとても難しいといわれています。
なんと、雑草は一つの株から約5万粒~20万粒の種を捲きます!それに、その種の約8割は発芽して繁殖するといわれているのですから、繁殖力は相当のものです。また、雑草の多くは日光を栄養として発芽します。その種は場所に関わらず日光が当たれば成長するため、殖え続けるのです。


※光を必要とする種を「好光性種子」と呼びます。このタイプの種を持っている植物の例としてシソやレタスなどがあげられます。反対に、光にあたると発芽しにくくなる種を「嫌光性種子」といいます。


地面の下にかくれた根




二つ目に関しては、地面の下に雑草の茎や根がかくれているということが考えられます。特に多年生雑草という分類に区分される多年草という種類の植物は、地面の上の部分が枯れても地面の下に茎や根が残っていて、毎年新しい芽を出して何年も生き続ける性質を持っているために「宿根草」ともいわれています。多年草は、下の図の右側の例に相当します。地面の下にかくれている太い根の部分からは時間とともに芽が出て、また新しい葉となっていきます。
雑草

※ルーラル電子図書館 『雑草防除の基礎知識』を参照。
こうして隠れた種や根・茎があるということもあって、だれかが種をまかなくても雑草はどんどん生えてくるのです。

* POINT
多年草を除草することはそのまま芽の生長を阻害するということに他なりません。例えば、庭用薬剤「グリホトップ」に代表されるグリホサート系除草剤や水稲用農薬「ワンステージ」に代表されるALS 阻害剤はアミノ酸の生合成を阻害し、庭用薬剤「グリーンアージラン」に代表されるアシュラム液剤はプリン塩基の生合成を阻害することで、細胞が殖えるのに必要なたんぱく質・核酸を作らせず、生長点の活動を停止することで知られています。


やっかいな雑草~多年生の場合~


  1. スギナ
    トクサ科。
    地下茎でどんどん増え、草抜きだけでは対処できない。

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  2. ドクダミ
    ドクダミ科。
    地下茎を伸ばして生長するうえに、大きくなってからでは根からの根絶が困難。

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おまけ:探してみよう!鳥が運んでくる植物


日本野鳥の会は野鳥が運んでくる可能性の高い木の実一覧を発表しています。さいごに、そのうちの8種を抜粋してご紹介します。皆さんの身の回りにも、鳥が遠い場所から運んできたものがあるかもしれません。探してみてくださいね~🌱
①ヤマモモ(ヤマモモ科)
②アケビ(アケビ科)
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③クスノキ(クスノキ科)
④ノイバラ(バラ科)※無料写真素材「花ざかりの森」より
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⑤ナナカマド類 (バラ科)
⑥キヅタ (ウコギ科)
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⑦イチイ(イチイ科)
⑧ムラサキシキブ (シソ科)
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